一本の重み。
2008年3月25日 19:40
過去数年に渡って、弊社で高周波焼入れの処理をさせて頂いている"Φ60 ピン"の話。
昨年末、一本のピンに不具合が発生しました。
使用時に折れたとの事でした。
現在に至るまで、数百本いや千本単位で納入させてもらっている中での一本です。
原因究明のために、不具合が起こった商品は検査されました。
同一ロッドの商品も勿論、再検査が行なわれたようです。
でも特定の原因究明には至りませんでした。
この不具合はイレギュラーによるものであると判断されて、事後対策に進むだろうと自分は考えていました。
しかしながら、ここからが凄かった!?
過去数年に渡るデーターを全て提出。
その中には作業担当者の名前なんかも有りました。
作業者によって品質が変わるかもしれないとの事からでした。
弊社も何一つ隠すことなく自信を持って対応させて頂きました。(そないに大そうな事でも無いのですが...)
その後も立ち入り検査、焼入れ温度の測定調査等々が行なわれました。
で、気付いたんです!!
通常の作業の中では不良品が発生しない事を徹底的に証明されようとしてるんだと!!
製造工程中の不具合ではない事の確証を得るためとでも言うのでしょうか。
さすがそこまでやるんだぁって、心底感心してしまいました。
本当に勉強になった出来事でした。
一個であろうと、一本であろうと、気を抜くことなく作業を行なう・・・
当たり前の事なんですけど、その大切さを再確認させてもらいました。
恥ずかしながら、まだまだ修行がたりない自分を実感してしまいました。